誰かの中の1日目
西村 烏合
chapter 2
キャラバン・プラネットで味わえない食べ物はたくさんある。その料理法が自分の惑星外へ流出するのを防ぐために、人を死刑にする種族だっている。そのくせ、客を迎えると最高の料理でもてなしたがる。自慢はしたいが、自分たち以外がその料理で褒められるなんて事になると考えただけで、気が狂いそうになるらしい。ある高級恒星間クルーズ船の料理長になった人物は、宇宙一おいしい料理を出すシェフとしてクルーズ船と共に表彰された。だがその直後に原因不明の病で料理長は死亡した。その土地だけの味というのは、いろいろな場所にある。
だがキャラバン・プラネットほど、様々な料理を食べられる場所はない。味わえない食べ物はあるが、この一つの惑星の中で提供されている料理の豊富さでいえば、どんな惑星にも劣らないだろう。テラの味を提供しているのはエンパイアピザだけではない。アレックスはアースタイムの前に自分のホバーバイクを停めた。
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