板タブさん、本当に長い間ありがとうございました。
この前PC買い替えの記事で『ペンタブレット接続→サポート終了しとるやん使えるけどォッ』という項目を書いたんですが↓
PC買い替え後の作業一例 (CLIP STUDIO/クリスタ、Krita、iTunes、Steam等)
この時点では確かに使えました。ただその後、PCで認識したりしなかったりという不安定な症状が出てしまい、買い替えました。…忘れるんだ…値段のことは…
使っていた Intuos 4 と一番似たタイプのもの (Intuos Pro) も購入を検討しましたが、液タブを試してみたかったのと、最近絵が描けないのを打破するために新しい刺激をオラに分けてくれ…と思ったので、液タブに。
値段が値段なので、使い辛かったら死ぬしかないと思いました()
結果、Cintiq 22 自体には気になる点あるが、ペンタブは液タブでいいじゃん一生。
と思っています。
商品公式ページは下記
Wacom Cintiq 22 – Wacom Cintiq – 液晶ペンタブレット
スペック、商品詳細などは公式PDFのほうが詳しいです。
https://estore.wacom.jp/media/sebwite/productdownloads/w/a/wacomcintiq.pdf
※最初に Cintiq 22 の外寸について
置けなかったら使えねンだわ、てことで重要なので書いときます。
Cintiq 22 のサイズ(外寸)は 570 × 359mm。
普通のデスクだと、PCモニターとこれを置いてギリのサイズだと思います。
モニター、Cintiq 22、キーボードを全てデスクに設置するには、デスク下にキーボードスライダー/キーボードトレイがある、または 700mm より大きいデスクが必要かと思います。
デスク上に全部置いた場合、作業感がどうかわかりませんが…
儂の使ってるデスクは一切余裕ないです。
デスクの奥行き 600mm
PCモニターの基部 約220mm
Cintiq 22 (スタンド一番低い状態) 約400mm
になっていてモニターを数センチ奥に飛び出させて、やっと Cintiq 22 が乗ってる状態。
デスク奥行き 600mm は通常より小さいかもだが、この状態なので奥行き700mm のデスクでもキーボードまで置くのは厳しいでしょう。モニターの基部が場所取ってなければあるいは、ですが。
CIntiq 22 のスタンドを最大限垂直に近付けて立てると、無理矢理キーボード置けないこともない。が、今度は液タブが描ける角度じゃなくなるので現実的でないかと。
という感じです。
Cintiq 22 の描画面のサイズは 476 × 268mm です。
目次
結論
WUXGA 位のモニターを使っている場合、最初の液タブ選択肢として悪くない
これは目の見え方の話なので個人の感覚によるところが大きいです。
が、選択肢として悪くないって表現に間違いはないかと。
WUXGA (1920 × 1200) より上に慣れた目を持ってないので、これより上の解像度で生活している人の感覚はわからない。その為、なんとも言えません。
そんな高解像度のモニターを使う人なら、そもそもこんな記事読まなくてもいろいろわかると思いますし…まァとにかく!
WUXGA (1920 × 1200) のモニターを使っている場合、解像度がフルHD (1920 × 1080)の Cintiq 22 だと「うわ無理やん」と最初思うはず。
ただ、慣れることさえ出来れば、いける。
本当にそれが個人差かと。
最終的な仕上げはモニターで見ながら可能なので、儂は大丈夫です。とりあえず。
もちろん解像度と色域が良い方がいいですよ。Cintiq Pro なんかだと良いだろう。
ただ画面の大きさが近い23.6型の非タッチパネルので3倍くらいの値段()
ギリ現実的な選択肢として、この画面の大きさで、筆圧レベルは Pro と同じ 8192 レベル。スタンドも付属(というか一体型)。
解像度のことは気にはなるが、承知の上で買うなら Cintiq 22 悪くないかと。
デモ機で試しても完全にはわからない
自分の絵を表示させるまではわからないです。結局。
売り場でちゃちゃっとは描いてみたんですが、家に帰って、さて描くぞと思ったら全然違うやん、となりました。
鉄の心臓を持ってる場合、電気屋で時間かけて絵を仕上げてみるという手が無いことも無いが、ハードすぎる。
自分がそうして無いので、そうすればOK!とは言えないのですが想定で思うことは、Cintiq 22 の購入を検討する場合、Cintiq Pro も同時に試せる電気屋に行くべきです。
それで解像度の違いを見てみて、自分のPCモニターとの差も考えてみて、納得できたら買うのが良いのでは。
それでも結局、自分の絵を表示させないと本当の感覚はわからないが、Cintiq Pro を見ないで買うよりはいいかと。
儂は未だに Cintiq Pro の実機を見たことはないし、見たとしても結局買えないんですが、出来れば見てから買いたかった(そりゃそうや)
いつもならもっとクソ慎重に検討するのに、ペンタブ使えないという焦りで急いで買ってしまった。
液タブの描きやすさへの感動でなんとか耐えた()
液タブ / Cintiq 22 良かった点
個人的に板タブより描きやすかったこと
デジタル線画への苦手意識が軽減されたこと
タッチ機能があるモデルにするか迷ったが、無い Cintiq 22 という液タブを使ってみて、タッチ機能使うタイミングない、と思った。そして画面の掃除も楽なのでこれで良かった。
の3点です。
板タブより描きやすい(完全に個人の感覚によるが感覚合えば最高)
アナログで描く時、紙に顔を近づけたほうが描きやすい人は。液タブの方が合うかもしれない。
儂は、描画面に顔を近づけてかなり猫背で前かがみになる。
そうしたほうが描きやすい。
ということを、液タブ使って数年ぶりに思い出しました。
背骨のことは知らない()
板タブ+モニターだと、姿勢的にそんな顔を近づけない。
近づけたら描きにくいし。
普通の姿勢で描いて別に不便では無かった。
でも液タブを使ってみると、前かがみの姿勢になれるし、それが非常にやりやすい。アナログはなんかこんな風にして描いてたな?と思い出した。
今まで忘れてたくらい、アナログではまともに描いてなかったという事だが…
この姿勢を取れることと、画面に直接描画できることで
“そこに描いている”
という感覚が段違いに大きくなるし、集中しやすい。
のめり込むというか没入感を高められるというか。
電気屋の売り場でも、その画面に向かって前かがみになってグッと近付く感覚が、すごく良いと思った。
それだけは間違いではなかった( ˘ω˘ )
(新型の板タブを買う選択肢が消えてしまったのは、それを感じたせいもある)
なので個人的には板タブより描きやすくなったと感じているし、描く時はとても楽しく描けています。
余談だが Wacom 公式では、画面に直接描き込めるから姿勢よく作業ができ、肩や首への負担が軽減される、と説明されてました。
ワイ、真逆のことしてて更にそれを利点と捉えてて草
まあでもどの姿勢でも描けるってことで(真顔)
あとやはり大画面は正義、て感じです。
板タブでデジタル線画苦手な人は、液タブで改善できるかも
儂はめちゃくちゃデジタル線画苦手なのですが、かなり苦手意識が緩和された。
=上手くなったって訳じゃないですよ()ハイ
ただ、本当に苦痛なくらいデジタル線画が嫌だったのが苦痛じゃなくなった。
直接画面に描けると、感覚にそれだけ差が出るのだな、と驚きました。
あと儂は線画でも他の工程でも鬼のように Undo をしてたのだが、回数が減った。
デジタルで描く場合、Undo をよく使うのは普通だと思う。自分が他の人と比べて多いかどうかもわからない。
だが自分の中では正直こんな Undo したくないと思っていた。いつまでたっても進まないし辛すぎる。
それが、自分の描いた線を肯定できるようになったというか。
前はこれじゃダメだ、という感覚が強すぎて吐きそうだった(具合悪すぎだろ)
Undo しまくった線とそうじゃない線でどっちが良いかはわからないが、自分で肯定できたほうがいい。
どのように感覚が変わるかも個人差でしょうが、儂のように改善できる人もいるかと思います。
タッチパネルではなくて逆に良かった
タッチパネルか非対応か、これは急いでてもさすがに検討しました。やっぱタッチに対応したモデルのほうが楽かな、等とも思った。
だが一番迷った Cintiq 22 にタッチ機能が無く、今まで板タブだったんだから別にタッチできなくても死ぬほどストレス溜まる事はないだろうと考えて、Cintiq 22 にしました。
結果、タッチ機能いらんかった。だから良かった。
儂は板タブの時、右手で描きながら、左手はキーボードでショートカットを操作する描き方をしてました。
で、液タブでも基本そうなる。
もう、タッチするタイミングねンだわ。
慣れてる人はもしかしたらペン持ってる手でタッチ機能も駆使するなんて事があるのかもだが。
儂はそんな忙しく動かせそうもないし、このやり方で定着しているので特に問題なかったです。
あと、パネル部分に指紋とか手の油分とかが付くわけですが、それを拭く時にタッチ式だといちいち消さないといけないとかだと面倒すぎる。どこまで反応するのかはわからないが。
そもそも反応する機能なければ、画面を付けたままで気にせず掃除できるので良いです。
Intuos 4 のペン立てが Pro Pen 2 にも使えるッ
はい。フィット感は若干違いますがグラつきは無く、問題なく使えます。
めちゃくちゃ嬉しい(そんなにもか)
中の芯立てみたいな部分は微妙ですが。Pro Pen 2 のは旧型の芯よりだいぶ細いので、入れるとグラグラして危なそうです。
でもペンが立てられれば充分。
Cintiq 22 にはペン立てがついておらず、太古の Bamboo みたいなペンタブレットの横につける布製のホルダーしか無いので、そこは不便だと思った。
だがペン立てを流用できたことで悩みが1個消えてよかったです。
このペン立て(ペンスタンド) 中古で買えないことも無いようだが、公式ではもう売ってないっぽいので、持ってる人は捨てないほうが良いと思います。
儂はペン立てが一番便利だと思うのだが…
Intuos 4 のものを何か継承できてよかった。
気になる点
【解像度が荒い】
一番の問題点これです。なによりも真剣に検討すべき点。
最初、あ、もう終わったな死のう…と思いました。
Cintiq 22 は画面がデカいのがとても良いのだが、解像度がフルHDで、自分が使っているモニターよりも解像度低い。
あとスマホを見慣れている目にも普通に”荒い”と感じられるはず。たぶん。
ただ個人的な結論は最初に言ったとおり
「一番最後の調整する前まではこれで充分描ける。慣れることは可能」
です。本当に個人の感覚ですが。
この解像度の荒さに慣れるかどうか、そして、大きな画面であったり価格を比較して納得できるかどうか、という所かと。
Cintiq 22 の解像度に関して もう少し詳しく
Cintiq 22 の解像度および色域
【解像度】
フルHD (1920 × 1080)
【色域】
NTSC カバー率(CIE1931) 72%(標準値)
sRGB カバー率(CIE 1931) 96%(標準値)
普通。すごく良いわけじゃない。
色域に関しては、印刷するんで無いかぎり気にしても仕方ない気はするんだが。
色の見え方なんか、見る人の目にも左右される。微妙な色合いになればなるほど、認識できるかは個人の差ですし…考えすぎると疲れるというか。
だが、解像度は通常の視力の人なら感じられる差異だし、描く時に解像度が低いと困る。
儂は WUXGA (1920 × 1200) のモニターを使っており、フルHDより若干、解像度が高い。
で、これ数字上は若干に思えるが、結構違ってクッキリ度合いに差がある。
なので最初 WUXGA と見比べると、フルHDの液タブの画面がボヤけてしょうがなくて死にそうになったのです。
フルHD と WUXGA の見え方の差について 例:YouTube
どう言えば伝わりやすいのかわからないが、YouTube で例える。
PC で YouTube を見る時、画質の HD マーク以上が
-
- 1080p (1920 × 1080)
- 1440p (2560×1440)
- 2160p (3840 × 2160) / 4K
4K なんかは対応した画面でなくても、やっぱり一番きれいに見える。
だがフルHDのモニターだと 4K にしても、1080p よりはきれいだが輪郭が僅かにボヤける。
WUXGA で 4K にするとボヤけが一切なく、クッキリきれいに見える。
文字にしたって、フルHDだとボヤける。ノートパソコンで見る感じと似ている。
WUXGA であれば今の標準的なスマホ画面のように、ボヤけなく見ることが出来る。
これは大きい差だと思います。
そのため、この WUXGA のモニターを何年も使っている目で画面を見比べた時「えー…無理…だが?(^ω^)」と思ってしまったと。
ただ先に書いた通り、自分は慣れることが出来ました。
最初は目が疲れますが。適当にラクガキとかしているうちに慣れた。
色の見え方もPCモニターと違うので、最後にモニターで色を確認しながら細かい部分を修正すれば、めっちゃボヤけた絵になっちまったァアアー--ッとかいう事もないです。
どっちにしても色はスマホで見るとまた違う色味に見えるんですが()
とにかくフルHDより高解像度のモニターと併用すれば、充分使えるとは思います。
線を3本つながないといけない
(HDMI, USB, 電源)
これは地味に面倒です。他の事に比べれば些細とはいえ。
儂はペンタブレットを一旦外したい、という時もあるので、そういうとき電源は良いとして、PCの背面からも前面からも線を抜かないといけないのは面倒。
これに関してはオプションで、液タブ側に差すコードが1本にまとめられる 3 in 1 ケーブル というものも売ってるそうなんですが、結局PCとコンセント側合計3か所差すことに変わりないしなあ…という感じです。
どっちかというとPC側から抜きたいので。
【追記】すみません、このケーブルは Cintiq 16 専用のケーブルでした。
Cintiq 22 には無いです。
投稿前に間違いに気付いたのに消し忘れていた…申し訳ないです。
まあ液タブだからな、と思って我慢。
要はデュアルモニター状態な訳ですから。しかたなし。
最後に 板タブありがとう
前にも書いたかもしれませんが、ずっと使っていた板タブは誕生日に贈り物としていただいたものなんですよね。
いただいた、っていうか友達が贈ってくれたのですが。
製品自体は壊れていなくて、PC との相性の問題だけっていうのもあり、買い替えるの…か…
と思ったんですが。
メインで使えるのはもうこの新しい PC だけだし選択肢が無い、と。
板タブのほうが場所も取らないし、片付けたり出したりが容易で、コードもUSBだけで済む、という利点も色々あるので、今もちょっと使わなくなった悲しさあるのですが
とにかく長い間ありがとう、と。
さすがに10年より長いことは無いと思うが、正確な年数も覚えてないくらい使った。
その間、ペンの不調が数回あっただけで、それ以外は何も不具合なく使えました。
Intuos 4 PTK-640 はマジで優秀なペンタブレットだと思います。
感謝。ありがとう。
もらったものだから気を遣って使えたというのも、もしかしたらあるかもしれぬ。
Cintiq 22 も…長く使えるとよいのですが。
気になる点もいろいろ書きましたが、現時点では Cintiq 22 気に入っています。
焦って買ってしまったことや予算の問題もあり、完全に納得できた訳ではないですが、液タブの良さを初めて知ることが出来て嬉しい。
大きい画面も良いし。
たぶんですが、自分には液タブの方が合っていると思います。
デジタルイラスト制作で板タブを使っていて、線が引きにくいとか感じている場合は、買わなくても電気屋とかで一回液タブを試してみるのはアリかと思います。
以上でレビュー終わりです。
これからよろしく頼む Cintiq 22 ( ˘ω˘ ) ホントウニタノム